レスダニアインタビュー

<レスダニアインタビュー>第4回

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人生の転機をしなやかに乗り越え、新しいキャリアで活き活きと活躍している大人の社会人のみなさんをご紹介するレスダニアインタビュー。

第4回は、グローバル電機メーカーの社員を60歳の定年まで2年を残して、2019年6月末に退職され、現在は人事関連の企業に転職された山下さんです。

■まずは山下さんの経歴をご紹介いただけますか?

1983年にエンジニアとして入社し、テレビの設計を中心に、89年から98年までアメリカの子会社に赴任していました。一貫して技術畑でしたが、日本に帰任するタイミングで間接部門に異動、2008年から人事部門で、リーダー教育やグローバル採用等を任されていました。2015年からキャリア教育、支援の業務を担当し、ベテラン社員のキャリア支援を推進する「キャリア・カンバス・プログラム」という仕組みを構築しました。

■「キャリア・カンバス・プログラム」とはどういうものですか?

⇒50歳以降を対象に、自律的にキャリアを考えるキャリア支援プログラムです。「日本の人事部」様からHRアワードをいただきましたので、詳細についてはそちらの記事をご覧になっていただければと思いますが、例えば自分の部署の仕事をしながら別の業務に副業的に挑戦できる仕組みや、自己研鑽に対して援助する仕組み等、主体的な行動を支援するプログラムを柱としています。

「日本の人事部」⇒https://jinjibu.jp/article/detl/tonari/2079/

■「キャリア・カンバス・プログラム」に対する社内の評判はいかがでしたか?

⇒多様な世代なのでベテラン社員全員からご評価いただけるものではないと思いますが、このプログラムをきっかけに新たな行動をされる方が少しずつ増えてきたことが嬉しかったです。

■そんな中で、どうして転職されたのですか?

⇒人生80年、100年と言われる時代、定年後の時間を考えると「本当に今のままで良いのかな?」「やりたいことをやりたいな」という意識が、特にこのようなプログラムを担当していたこともあって、日々強くなってきました。また「転職」を一度経験してみたいという「好奇心」も強く持っていました(笑)。

■50代後半というのはどうしてですか?

⇒子供がまだ高校生ということもあり、ファイナンシャル的に再雇用はないと思っていました。だったら定年間際ではなく、まだ少し時間があるタイミングでと思いました。

■家族の反対はなかったのですか?

⇒妻は会社勤めの経験がなく、会社のことは全くわからないので、長く務めた大きな会社を辞めることに転職活動を始めた頃は抵抗感を示していました。でも時間をかけて話をしてきたことで、私の強い意志を感じ、最後は転職が決まったことを喜んでくれました。

■いつ頃から転職活動をされたのですか?

⇒2018年57歳の秋頃です。2019年の上期中には転職しようというゴールを自分で決め、その想いを交流していただいた皆さんにもお伝えしてきました。

■山下さんの転職に対する職場の反応はどうでしたか?[

⇒驚かれた方が多かったですね。プログラムを推進する者として、そのことが不思議でした。でも自分自身の結論とプログラムの方向性が一致したことで、何かホっとする様な感覚があったことも覚えています。

■今のお仕事は何をされているのですか?

⇒今は半分ぐらいの時間を研修に充てさせていただいています。この歳になってもまだ色々なことを学ばせていただけることに感謝しています。これからはより多くのベテラン社員がもっと活躍できるようなご支援をさせていただきたいと思っています。

この会社には年齢に関係なく、65歳を過ぎても輝き続けられる制度があります。いつまで働けるかわかりませんが、キャリア・カンバスの経験を活かしていきたいと思います。

Resda’s Eye★ 〜レスダ理事からのコメント〜

山下さんとは、昨年ミドルシニアを中心とした異業種の勉強会でお会いしました。見た目のソフトな印象と異なり、「キャリア・カンバス・プログラム」の説明をする姿は、熱くパワフルだったことを覚えています。

ビジュアルなスライドで、磯野波平(54才)、フネ(50ン才)、唐沢寿明(56才)、山口智子(54才)と比較し、50代の能力の優位性と発揮はまだまだこれからという山下さんの話が妙に心に突き刺さり、勉強会の参加者員が「人生これからだ!」とお酒も入り盛り上がりました。

山下さんの功績は、大手企業にありがちな「シニア社員」イコール「終わった人」のようなイメージを払拭し、シニア層のポテンシャルに注目、会社の期待を体を張って 社内に伝えたところにあると思います。 シニアが活躍する場を、自ら足を運び、開拓するパワーは一般的な人事パーソンとは違うなぁと感じています。記事には書ききれませんでしたが、この1年で、48社、500人と名刺交換をされたこと、また関西での兼業、四国での村活性化支援等、色々なお話を伺いました。

年齢に関係なく目的を持って行動し続ければ、夢は必ず叶うということをご自身の経験をもって実証しておられます。
シニア人財や地方活性化に対する考え方は、の目指す方向性と同じだと感じました。

山下さんのこれからの活躍に注目する一方で、同年代の私には、「あなたはいつまでグズグズしているの?早く動かなければ何も変わらないよ!」と言われているような気がしました。


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