レスダニアインタビュー

<レスダニアインタビュー>第3回

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人生の転機をしなやかに乗り越え、新しいキャリアで活き活きと活躍している大人の社会人のみなさんをご紹介するレスダニアインタビュー。第3回は30年以上お勤めになられた民間企業からの出向を経て、出向先の国の関連機関に再就職、さらなる将来を展望中の高橋伸子さんです。

キャリアのベースは「Planned Happenstance」

―会社でのキャリアはどのようなものでしたか?

30年近くの民間企業でのキャリアは、クランボルツ博士のおっしゃる「Planned Happenstance」(注1)でした。入社した最初は、販売促進に従事、その後人材育成⇒人事へと仕事の内容は変化しました。社内でのキャリアチェンジは「予期せぬ偶発的な出来事」として起こり、多忙な毎日でしたが充実していました。何より、人との関りや人材開発といった分野が好きでした。

実は途中、ヘッドハンティングの話もありましたが、公私ともに多忙でチャレンジする余裕はありませんでした。

―転職を考えたのはいつごろから?

毎日が充実しており、40代までは転職や定年といったことは正直あまり真剣には考えていませんでした。でも、50歳を過ぎたあたり、役職定年を前にして、「このままここにはいられない」という気持ちが生まれてきました。この時初めて「Planned Happenstance」ではない動きをして、国の関係機関への出向を選びました。とはいえ、軸は「人」で、そこは変わっていません。

―子育てとの両立は大変でしたよね??

双子を授かったこと、これも一種の「Planned Happenstance」と言えるかもしれません(笑)。夫のサポートはあてにできず、同じマンションに住む実母のサポートなくては両立できなかったと思います。おばあちゃんっ子だった娘達もやっと社会人になりました。これからはもっと自分のために時間を使いたいという気持ちです。

■月1回のヘルスチェックがイキイキの秘訣

 15年前、首の調子が悪く、良い病院をあちこち探していました。そんな中、出会ったのが今も通っている病院の先生です。ひどかった症状がすっきりした後も、良い状態をキープするために、月1回土曜日に継続して通っています。整形外科と理学療法をセットにしたヘルスチェックで、インストラクターがついてくださるというプチRIZAPです。健康年齢を保つため、筋肉を落とさないことは重要で、病院ではシニア女性を多く見かけます。具合が悪くなってから対処するのではなく、普段からの身体への気配りが大切だと思います。

パートナーは料理人

 10歳上のパートナーは、すでに定年を迎え悠々自適の生活を送っています。「仕事から帰ってきて家族の夕食の支度をするのは大変だろうから、やめちゃえば?」という彼の提案に従い、平日の夕食はそれぞれで取ることにしました。彼は自炊しています。土日は家族の食事も作ってくれます。「だし」もとるし、茶わん蒸しもできちゃう。パスタもトマトソースから手作りと、料理人ですね。

将来に向けた新たな知的な場づくりを描く

数年前から、一般社団法人ライフシフト協会での活動にも取り組んでいます。ライフシフト協会では、様々なキャリア理論も取り上げながら、いま巷で話題になっている人事上の諸問題(ワークライフバランス、働き方改革、ダイバーシティ、高年齢者の継続雇用など)について議論しています。

さらに、私自身のこれからの活動としては、単なる飲み会ではなく、知的好奇心の強い人々が集い、お酒と会話を楽しむような、サロン、場づくりができるとよいなぁと考えています。実は15年位前からこの構想を温めていました。サロンには、いわゆる「チーママ」のような、コミュニケーション能力の高い人の存在、さらに知的好奇心の強い方々が惹かれる「テーマ」の設定が肝だと思っています。自身が以前働いていた田町、丸の内、大手町あたりで集える場を提供したいんです。(これは勝手な妄想で、具体的には何も考えていない単なる「夢」なんですけど・・)

★友人のコメント

―高橋さんは、どのような方ですか?

高橋さんとは、国の関係機関(違う部署ですが)で一緒にお仕事をさせていただきました。笑顔が素敵で、誰に対してもさりげない気遣いをなさる、素敵な先輩です。高橋さんは、柔軟に、主体的にキャリアをシフトし、新しい場所でも活躍し続けておられ、特にこれまでのご経験を活かして働き続けておられること、さらにそのご経験を違う分野にも広げていく夢をお持ちであることを、とても尊敬しています。私も高橋さんのようにしなやかでありたいと思います。

Resda’s Eye★ 〜レスダ理事からのコメント〜

 実親のサポートも活用しながらの子育てが一段落、一足先にリタイヤされたパートナーと程よい距離感で、頼り過ぎない共同生活の姿が印象的でした。(パートナーの名料理人ぶりが目に浮かびました。)

インタビュー中、いきなり、「Planned Happenstance」の話になり、キャリアカウンセラーの一面を見せてくださいました。自分を客観的に見る目を持ち、社会のニーズを捉え、将来を描いていらっしゃいます。ヘルスケアにも普段から留意、何事も前向きにポジティブに楽しむ、その明るさとパワーに元気をいただきました。メインのお仕事以外に、ライフシフト協会の活動にも取り組み、会社以外に自己実現できる場を持つことで、人生に幅を持たせていらっしゃいます。サードプレイスの大切さも改めて感じました。

(注1) 米スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授らが提唱した「計画された偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)というキャリア理論における言葉であり、個人のキャリア形成における予期せぬ偶発的な出来事のこと。

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